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ロマンスが降り注ぐ
第1章 夢のあとさき
男の子は『あはは、
脚がとても白くてキレイ!』


瑞季は照れて赤くなる。


『手を貸して』
瑞季の手を取ると、
『離さないでね』
とウィンクした。


『え?』
瞬間、ふわりと身体が宙に浮いて空に上がってゆく。

『ええええーーー』
『翔ぶのは初めてなの?
楽しいよ♪』


ぐんぐん上昇して、
街並みが見渡せるくらいに上がる。


男の子は手を繋いだまま、鳥さながらに空を舞う。
『こんなのアリかーーー』瑞季は絶叫する。


『アリも何も本当さ。』
沢山のビル、たくさんの家の灯り。
人が蟻のように小さく蠢くのが見える。


上空で停まり、
街を見下ろす。

瑞季は興奮が冷めない。


『どこか行きたいところ、ある?
どこでもいいよ、
連れてってあげる』



瑞季は『………どこでもいいの?
じゃあ、じゃあ………
オーストラリア!カンガルーとコアラが見たい』
とリクエストした。


『了解♪』
ビュン、と風を切る音がした。


『…………あれ?』
温かい。
しかも日中。
しかもカンガルーが跳ねている、広大な草むら!
『うわぁ!カンガルーだ』本当にカンガルーがお腹に赤ちゃんを入れて跳び跳ねている。

その向こうにある椰子のような木には、
コアラが2頭葉っぱを食べながらしがみついていた。

恰幅いい白髭のオジサンがジープを運転している。


『居られる時間は短いんだ!
次はどこがいい?』


『ええっ、えっと……………
ヨーロッパ!のフランス!の凱旋門見たい!』
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