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ロマンスが降り注ぐ
第1章 夢のあとさき
白い肌の男の子が薄くなり、
消えてゆく。


『やだぁ!
帰りたくない!行かないで!1人にしないで』

瑞季も薄くなっていく。


―――――目が覚めた。


瑞季は、
瞳を左右に動かせた。


『あっ、起きた!』
『ミズキ?大丈夫?』
ルウと紗由理【サユリ】の顔が見える。

『――――…あれ?
ここ、どこ?』


『良かったぁ〜〜〜。
もうダメなのかと思ったよ』
『ホント。リンが死んだ時と同じ発疹出てるし、
もう無理かと思うじゃん』

ルウと紗由理はよく似た金髪にギャルメイクで笑っている。

ポカンと脳内が白く、
現実感が徐々に浮かんでくる。

白い天井。
ピンクのカーテン。
同じ色の壁紙に絨毯。


12畳ほどのマンションの一室。

(ああ、待機所かぁ……………)


待合室である。
ここで客が入るのを待ち、指名が入ると呼ばれた子は客の元へ向かい身体を捧げるのだ。


瑞季とルウと紗由理はここに半分住んでいる。
リンは3ヶ月前に病気を発症してこの部屋で息絶えた1つ年下の女の子だった。

死体は黒く溶けて消えた。
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