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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第25章 書庫

箱から出てきた本が、続けざまに床に落ちる。

それと同時に…カルロが後ろに突き飛ばした椅子が、壁に当たって倒れた。


「……」

「…ハァ…っ…ハァ」


ミレイは彼に抱き留められていた。


「…何、焦ってんの」

「だって…っ…ハァ、…わたしが、聞かなくてもいいことを──」

「べつに気にしていない」


危機をまぬがれたばかりの彼女の心臓は、ばくばくと早打っている。

しかしミレイの頭の中は…数秒前の自身の失態の事でいっぱいだ。



“ 今のカルロさんにとっては、何より辛いことなのに…! ”


カルロさんは読書が好きで

そして、同じく彼の父親も、こんな書庫を作るほど本にこだわりがある人なのだ。


こんなところにまであった親子の共通点。

そしてその事を、カルロさんは喜ばない──。


「ごめんな…さい…!」


ミレイは彼の服の胸元を、両手でぎゅっと握りしめた。



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