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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第27章 本気の愛

「でも、だからこその、チャンスなんじゃない?」

「…?」

「君は一度、兄さんと離れてみるべきだ。君たちには時間が必要なんだよ」

「どうして?離れないといけないんですか…!?」

「──…なら聞くけど、君は兄さんのどこが好きなの?」

「え…っ」


彼の切り返しにミレイは戸惑った。

それが今回のことにどう関係しているんだろう。


「…き、…気付いた時には…好きになってて」

「何かしら、きっかけぐらいはあるでしょう」

「きっかけ…?」


ばか正直に返事をして、さらに問いを続けられた彼女は口ごもった。



彼を好きになった、きっかけ──



「…カルロさんが、助けてくれて」


「……」


「スパイ容疑をかけられた時も、実戦授業のミッションでも、3年前…わたしが、拐われそうになった日も」



そう、カルロさんはいつだって助けてくれた。


面倒臭がりながら、それでも、いざってときに頼りになる人だったから…。




「…ハァ、……やっぱり、ね」


「……?」


「残念だけれど、君の " 好き " は思い込みだよ」



スミヤは目を細め

今度は、笑うでなく顔をしかめた。

その意味がミレイにはわからなかった。



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