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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

「危険だから離れなさい!」

窓際の彼女をジンが引き戻す。

パリン!!

「──…!!」

「き、きゃあああ!まただわ!!」

すると再びガラスが割れ、なんと2発目の銃弾が、ミレイの肩を掴むジンの、スーツの袖を貫通した。今度こそ参加者たちは悲鳴をあげておののいた。

“ まさかっ……狙い撃ち……!? ”

どうなっている

ガラスを貫通する威力の銃器で、あの飛距離で、狙いを定めて銃撃するなんて信じられなかった。

ジンは叫び、他の参加者にも今すぐ窓際から離れるように命じる。


そこに部下の警官が焦燥した様子でやって来た。


「どうした…っ」

「監視班より、何者かが混乱にじょうじて会場に入ってきたのがカメラに映っていたと連絡が…っ」

「なんだと?」

「顔は映っていないと。どうやら若い男のようだと。服装は黒スーツに──」

「……!!」


ジンの表情は深刻だった。

この会場に不審な者が紛れ込んでいる…!

ざっと会場を見渡せど、人が多すぎて探し出せるはずもなかった。


そんな中、また別の部下が駆け寄ってくる。


「ただいま確認したところ、ビル入り口の見張りがひとり残らず倒されています!間違いなくカメラに映っていた者の仕業です」

「何故だ?襲撃の報告はきていないぞ?」

「無線で知らせる隙もなく全滅したとしか…ッッ」

「く…!!」


一刻の猶予もなくなったジンには、この場の指揮をとるべく冷静な判断が求められる。

彼はまず横のミレイに振り向いた。


「ミレイ、君は家へ戻りなさい」

「え…!?」

「犯人の狙いがわからない…っ。危険だ、今すぐその裏口から地下駐車場へ…──おい、君たち」


混乱が広がる前に娘だけでも避難させようと、ジンは部下を数人呼びつけて、彼女を逃がすように命令した。


「…待って…っ ジンさん」

「言う通りにしてくれ」


ミレイは両側から腕を捕まれて、会場の入り口とは逆にある配膳室へと引っ張られた。


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