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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第29章 契約の熱

ミレイの顔はすっかり赤く染まって、恥ずかしさで彼を直視できないようだ。

カルロは自分の帽子を脱ぐと、それをボスっと彼女の頭にのせた。


「…っ…今、その顔はやめなよ。手元が狂う」


「わっ…!な…何もしてませんけどっ」


いきなり視界をおおわれて驚いたミレイはバタバタと手を動かす。

その拍子にカルロと手が触れ合って…

思わず引っ込めてしまった後、ミレイは被せられた帽子に両手を添えた。


「……//」


真っ暗な視界の中、俯いて唇を噛む。


仄かにカルロの香りがする…その帽子で、自分のだらしない顔が見られないように隠していた。






───



そうしている内に車は建物の地下に入った。

ガクンと車内に揺れがおこり、ミレイは帽子を胸におさえて顔をあげる。


「どこ…?」


地下に広がっていたのは駐車場。

空いている場所にカルロは車をとめた。

そのスムーズな駐車も、護衛のための訓練でつちかわれたものだろう。


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