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星の島で恋をした【完結】
第21章 《二十一》
     *

 リクハルドは先ほどまではセルマを抱えて座席の真ん中に座っていたのに、セルマが離れたからなのか、端に座って窓の外をにらみつけていた。

 わかりやすい態度にカティヤ王女はくすくすと笑い、セルマを横に座らせた。



「セルマ、お帰りなさい」


 カティヤ王女のその言葉にセルマは帰還の挨拶が済んでいなかったことを思い出し、慌ててカティヤ王女の前にひざまづこうとしたが、止められた。

 セルマはどうにも居心地が悪いと思いつつ、カティヤ王女の横に座ったままでいた。



「ねえ、セルマ。そこにいるリクハルドの態度、大変悪いと思わない?」


 カティヤ王女に言われて、セルマは窓の外をにらみつけているリクハルドに視線を向けた。

 こちらのことは話も聞こえているし気にはしているのだろうが、振り返らない。その態度が悪いと言えばそうともとれる。



 それだけではない。

 星の島でのリクハルドの態度を思い出すと、これも態度が悪いうちに入る。そしてリクハルドがどうしてそんな態度を取っていたのかという説明をセルマは本人の口から聞いてはいたが、改めて思い返しても感心できるものではなかった。

 とはいえ、それも無理からぬことだとリクハルドの説明を聞いて分かっていた。ただ、セルマの中では未だに納得はいってないのだが。



 それに、リクハルドはカティヤ王女のことをずっと呼び捨てにしていた。

 カティヤ王女はそのことをさしているのだろうか。



「さっき、あの変な男に言ったことは事実だからな」


 変な男とは公爵家の三男のアントンのことだろうか。

 リクハルドに確認を取りたくてもこちらに背を向けていたので、セルマはカティヤ王女に視線を向けると、うなずかれた。



「事実だというのは……その、どのことをさしているのでしょうか」
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