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星の島で恋をした【完結】
第1章 《一》
 セルマは呻き声を上げた後、気合いだけで重たい身体を奮い立たせて立ち上がった。

 透明な海水がゆらゆらと揺れて、寄せては返す波がセルマを容赦なく岸へ沖へとやろうとする。セルマは岸へと波が返すときに一緒に足を動かし、ようやく上陸することができた。

 到着早々、なんだというのだ。

 そう思っていると、セルマの耳にまたもやひゅん……という矢が飛ばされた音がして、反射的に身体を引こうとしたが、身体に張り付く濡れた服のせいで思い通りにならない。身体を必死に操り、右後方へ身体をずらした。

 セルマの目の前に金色の矢が横切り、島の黒い地面に突き刺さった。

 そこは、先ほどまでセルマが立っていた場所。正確な矢の軌跡に、この矢を放った人物の力量が見えて、セルマはぞっとした。

 あのまま突っ立っていたら、セルマはまたもや矢に射抜かれるところだった──。

 その恐怖を振り払うため、セルマは震えそうになる声に力を込めて、張り上げた。

「さっきからだれなのっ!」

 矢が飛んできた方向へと視線を向けると、黒しかないと思っていた島に、一条の金色の光。また矢を放たれたのかと後退しようとしたが、よく見ればそこには金色の髪を持つ美しい男が立っていた。

 星の化身を見ることができればきっと、目の前に立つ男のようなのだろうと──。

 そこでセルマの意識はぷつりと途切れた。

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