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星の島で恋をした【完結】
第12章 《十二》
 リクハルドに言われてセルマは慌てて立ち上がったが、昨日の拒絶を思い出してガゼボから出るのに躊躇した。



「出ても大丈夫だから」
「……でも」
「俺が抱えて連れて行く?」


 さすがにそれは恥ずかしくて、セルマは大きく首を振った。



「大丈夫だよ、もう蔦はないから」
「……うん」


 リクハルドが手を伸ばしてきたのでセルマは素直にその手を掴んだ。



「さあ、行こう」


 リクハルドに促されるまま、セルマは白く輝く島に足を差し出した。
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