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星の島で恋をした【完結】
第14章 《十四》
 そういってリクハルドはセルマのあごに手を掛けて顔を上げさせて、セルマの緑色の瞳をじっとのぞき込んできた。



「その……」
「恥ずかしいの?」
「……うん」
「セルマの綺麗な瞳を見ていたいけど、恥ずかしいのなら閉じて」


 リクハルドに言われるがままに瞳を閉じると唇を重ねられた。触れるだけのキスだったけれど、セルマはそれだけで幸せな気持ちになれた。



「今日はご飯を食べたらスキアがいる入り江に行く」
「……はい」


 リクハルドはそう言ってセルマの右腕を手に取った。



「大丈夫、星がセルマを護ってくれるから」


 不安が顔に出ていたのだろう、リクハルドは手首に口づけをした後、もう一度、唇にキスをしてきた。



「俺もついてるから」
「……うん」


 リクハルドに促されて、セルマは寝台から降りた。
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