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星の島で恋をした【完結】
第15章 《十五》
 これ、地面にぶつかったら相当痛いよなあ……なんて思っていると、セルマの身体は風に包み込まれた。ぐるぐると風に巻き込まれて目が回る。しかしそのおかげなのか、投げ出された身体は勢いを殺されてゆるゆると地面へと近づき、どさりと落ちた。



「……ったぁ」
「セルマ、大丈夫かっ」


 少し離れたところから聞こえるリクハルドの声にとりあえず手を上げて大丈夫だと合図を送っておいた。



「【エコロ ドット オイェラ ニマック】」


 新たに聞く詠唱になんだろうと思っていると、視界の端に黄色く光るなにかが空から降ってきて、地面が激しく揺れた。セルマは驚いて地面にしがみついた。

 黄色い光は鋭くスキアへと突き刺さり、地面に縫い付けられたようだった。

 セルマはその光景をただ呆然と見つめているだけしかできなかった。これならばセルマが手伝わなくても良かったのではないのか。



「【エラ モット オイェ ガック】」


 リクハルドの詠唱とともにスキアの身体が激しく震えたかと思ったら、そのまま硬直した。

 ざばざばと音を立ててリクハルドが陸へ上がり、スキアの側へと歩いて行く。そしてセルマが突き刺した刃の元へと行くと、懐に手を突っ込んでなにかを取り出した。あれはきっと、セルマの肩に埋まっていた呪いの種だ。

 リクハルドはそれを躊躇することなくスキアの傷口へと埋め込んだ。
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