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星の島で恋をした【完結】
第18章 《十八》
 リクハルドの嬉しそうな声にセルマは首を傾げた。

 しかし、リクハルドはセルマを見ていなかったため、その仕草を見逃した。

 そして、リクハルドは本来の目的を思い出し、視線をそらしたまま口を開いた。



「そうだ、セルマ。今日のお昼過ぎに迎えの舟が来る」
「え……」
「急だけど、カティヤに知らせたらすぐに帰して欲しいって言われてね」
「カティヤ王女が」
「セルマがいなくて淋しいってだだをこねて周りが大変みたいだから、申し訳ないけど相手をしてやってくれるか」
「……あの」
「うん?」
「…………。いえ。その、いろいろとお世話になりました」
「カティヤの頼みだからね」


 リクハルドのその一言にセルマはずきんと心が痛んだ。


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