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花咲く夜に
第7章 離脱
めぐるが退院し、
初夏の気候を体感しながら過ごす日々は穏やかだ。


貴斗は1週間休んだあと郵便局への勤務を続けながら、

育っていくブロッコリーの出荷にも追われる毎日。



暑くなってきた。


めぐるは痩身だが体力がある。少し肌が焼けてきて、ボディクリームをよく塗り込んでいた。
水分を補給しながら2人で出荷する。
昭恵は補助をしてくれている。


昼間、
曽根崎優が退院して村へと帰って来た。

貴斗は曽根崎宅へ伺い、
『良かったなぁ、
思ったより早く退院できて』

『ありがとな、
見舞い!』優は元気そうだ。松葉づえを左手に持ち身体を支えている。

貴斗はニヤ〜リと笑い、
声を潜めて『2児のパパ、頑張らないとな!』
とからかう。
『あれっ、
聞いたのか。
照れるなー(笑)
無事産まれてくれることを祈ってんだわ』



『ああ、
俺も手を合わせて祈るよ。』

『………お前さぁ。
めぐるちゃんと早く結婚しなよ』

『えっ、
急かすなよー』

『ちゃんと考えてんのか?彼女は待ってるぞ、
絶対』


『考えてるよ!
あっ、お前絶対めぐるに言うなよ?
何か考えてるってことは。サプライズ感が大事なんだからな』

『おお!
……何だ、考えてたか(苦笑)なぁ貴斗』
ふと、優は真顔になった。

『何だよ?』


『……お前も、
色々あったけれど。
もう、嫌な思いはすんなよ』
『……何だよ、急に(苦笑)』貴斗は真剣な眼差しの優に気恥ずかしくなる。


『お前、基本真面目だろ?荒れたり自棄になったりもあんましない。
何か起こると向き合おうとするよな。
……そういう人には、
幸せがよく似合うと思うんだ』


『似合う……?』


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