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花咲く夜に
第8章 旅立
優は『めぐるちゃん、
何かあったら俺の携帯鳴らして?
聞くくらいは出来るからさ。
拓海くん、また来るね』
と拓海にフランクな挨拶をして去っていく。



拓海は、
めぐると2人きりになると…………


めぐるの頭に手をポンと乗せた。


『…………抱え込むなよ。俺はいつも姉ちゃんの側にいる』



めぐるは、
肩の力が緩くなるのを感じて『………っっ…………………』
泣き出した。。




拓海はポンポン、
と頭を優しく撫で続けた。
『……お土産持ってきた。三田【ミタ】ベーカリーのメロンパン。それとチョココロネ。
これ食べて元気出せ』

実家の近所にある、
古いベーカリーのめぐるの好物だった………








『拓海くん、
ごめんなぁ………』
昭恵は玄関に正座し手を着いて丁寧に頭を下げた。

『アキちゃん、
そんなことしないでよー!俺は姉ちゃんの顔見たかっただけだからさ。
パン持って来たから食べよう』
拓海は昭恵に手をバタバタと振る。

昭恵は頭を上げ、
『あのバカ孫、
行き先も言わずに出てっちゃったんだよ……』
はぁぁーっと息を吐く。
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