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君が泣かないためならば
第5章 っ
啓の手が私をなでまわす。
優しく、壊れモノを扱うようになでまわす。

心のひび割れた部分を修復するように、優しくその部分を探し出す。

両手を私の頬に当てて
そのままゆっくりと自分の方に引き寄せた。
スローモーションのように重なり合う唇に
これまでの思いを巡らせる。

勢いでキスをしている訳じゃない。
優しい優しいキスをされて
それ以上が欲しくなってわずかに唇を開けば
それを待っていたかのように啓の舌が割り込んできた。

「ん・・・っ」

ゆっくりと侵入してきたそれは、次第に奥まで到達すると
ぐるりと口内を舐めつくした。

啓の手が服の上から胸を触る。
始めは遠慮がちに。

私たちはもう、6年も毎日顔を合わせている。
同じ部署で働いて
週に何日も飲みに行く。

それでも、お互いに入りこめなかったプライベートな空間に
今、お互いにお互いを引き寄せる。

「ああ・・・・ぁぁ・・・・っ」

手が服の中に入ってきて、ブラを押し上げた。
そっと羽根のように触るその手は
私の胸の上で円を描く。

その気持ち良さに、私が啓の口内に舌を差し入れた。

小さな音とともにブラのホックが外されて
トップスごと脱がされた。

「慣れてる・・・」
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