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怪しい薬の研究所
第2章 女子高生が温泉で……
 太一や凜を含む、複数の大学生を被験者にした先日の実験は、新開発の媚薬の驚くべき効能を実証する結果となった。

 あんな詐欺まがいの手口を用いて強制参加させたため、研究所の一部の職員は「被験者に訴えられないかな」と怯えていたが、「大丈夫」の一点張りだった莉央菜。

 莉央菜の言葉通り、あれから1週間経った現在に至るまで、訴えられたり、警官が訊ねてきたりなどといったことも起こらず、研究所は普段通りの活動を続けていた。



 被験者を麻酔薬で眠らせて、部下の職員に運ばせた際、その足で銀行に出向き、指定の口座に振込みを済ませていたことも影響したのかもしれない。

 それも、指定の金額の倍額を。



 また、被験者たちに、何ら証拠になるものを与えなかったのも、大きかったのだろう。



 さらに言うならば、ここで起きたことは、被験者たちにとって、あまり堂々と口外したくない内容であるということもまた、被験者たちが訴え出るような行動を起こさない理由の一つかもしれなかった。



 そしてこれらのことは全て、莉央菜の計算どおりだったのだ。

 なので、莉央菜は全く心配することもなく、普段通りに日夜研究に没頭していた。




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