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怪しい薬の研究所
第2章 女子高生が温泉で……
「ちょっと我々とこの旅館の皆さんとの間に行き違いがあったようで、変更を余儀なくされた事柄がございまして……。誠に申し上げにくいのですが……バスタオルをお湯につけるのが、今春のルール改正により、不可能になってしまっていたようです。なので、バスタオルを巻いていただくのではなく、手ぬぐいを使用していただくことになりそうです」

「ええっ?!」

 朋香は驚きの声をあげた。

 手ぬぐいでは、身体をしっかり隠せるかどうか不安なのだから、驚くのも無理もないだろう。

 フォローするかのように宮元が続ける。

「本当に申し訳ございません。最初に申し上げましたとおり、沢下さんのOKサインが出るまで、撮影はいたしませんし、そちらをじろじろ見るようなこともいたしませんので」

「は、はぁ……」

 納得できない朋香だったが、どうすることもできなかった。

 ここでキャンセルすれば、宮元ら全員に多大な迷惑をかけてしまう上に、日当を貰えないのは間違いなさそうだったので。

 それに、腰が低く、丁重な物腰の宮元の態度が、朋香には好印象で、「この人を困らせるには忍びない」という思いもあったようだ。

 なので、抗議もせずに、朋香は宮元の話の続きを待った。

 宮元は「理解してもらえた」と思ったのか、説明を続けていく。




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