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いろごとプリズム
第1章 遠恋の始まりと共に

プリズム――それは、滑らかに磨いた平面を二つ以上持つ透明体のこと。

高岡紗彩……サーヤは、この頃自分の身に起きた数々の出来事が、まるでプリズムのように自然な彩色を放っていた日々だったと振り返る。

「……なんて言ったら美化し過ぎかな?でも……、小説を書くにはいろんな体験を美化するのも必要なスキルよね」

思い出すだけで胸がときめく日々に想いを馳せながら、今日もサーヤはパソコンに向かいキーボードを叩いて筆を走らせている――。
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