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アルテミス~女神の涙~
第4章 終章~代償
終章~代償


次の日の朝。
朝礼の時間になっても恭子は姿を表さない。


……死んだか?
石田は笑みを浮かべて優里の席に歩み寄った。

「優里、珈琲淹れてくれるかい?」

「……うん」


―-ガッ!!
突然、勢いよく扉が開く。

「茨成県警ですが失礼しますよ」

私服の警察が手帳をかざしながら、数人入ってくる。

「何だテメェら?」

石田が警察に詰め寄ると、警察は石田に目もくれず―-



「嶋村優里さん……昨日の夕方、江沼恭子さんと会っていましたね?」


「―-ッ!?」

石田は優里を見た。
ちょうど夕方5時ぐらいに恭子が死ぬ予定だ。

優里の表情は青白く引きつっていた。

「江沼恭子さんの遺体が早朝、駅前の公園で発見されました。
江沼さんの通話履歴、そして貴女ともみ合っている目撃証言がありました、署まで同行してもらえるね?」

「待っ―-」

石田が動いた瞬間、

「お話聞くだけですから!」

女性の警察にしっかりと止められる。


「……向樹さん……ゴメンね」

優里は石田に向かって嗚咽のような声を洩らすと、その目には大粒の涙が零れ落ちた。

「昨日……やっぱり、貴方の部屋に行けばよかった……」


END


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