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他人の妻、親友の夫
第1章 禁断の目醒め
「僕だけではなかなか彼女を満足させてやれないんです……」

秋彦の呟きを聞き、志歩の脳裏に先輩の言葉が思い返された。
『あの人、優しすぎるから……』
触れてはいけない何かに触れそうな気がして、心拍数が上がる。
立ち入ってはいけないと脳が警鐘を鳴らすのに、彼女は止められなかった。

「満足、と言いますと……?」

その質問に答える前に秋彦は力なく苦笑いを浮かべる。
そして視線を理依のテントへ向けた。

「お二人には隠さずに言わないといけないですよね……実は理依さんは……」

耳を塞ぎたい衝動と、疼いた興奮が入り交じる。
大好きで信頼している先輩の恥部。
開いてはいけないパンドラの箱が開く。

「誰かに視られたい、という欲求が強いんです……」
「……えっ!?」

それは志歩が想像していたよりも、遥かに驚愕の事実であった。
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