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他人の妻、親友の夫
第7章 献身的な虐戯
「理依さんっ……」

かける言葉が見つからなかった。
結局、秋彦は今夜も達するまでは到れなかった。

彼は黙って立ち上がるとトイレに行ってしまう。

心から愛している妻を肉体で愛しきってやれない苦しみ。
心から愛している夫を満足させてやれない妻の苦しみ。

それらは志歩には見当もつかないほど残酷なことだった。

何を言っても二人を傷つけてしまう。

そして志歩は自分を恥じた。
一瞬でも理依を妬み、秋彦の猛りを自らの中に突き刺して欲しいなどと願ってしまった自分を、恥じていた。
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