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第3章 嫉妬と憧憬

セックスとは綺麗なものと考えていた。
しかしあの夜、妖しい瘴気に毒され、何かが変わった。

海晴は舌を伸ばして仄温かい秘め口を舐める。

「き、汚ないよっ……あぁっ……」

彼女が恐れているほど、そこに放尿の痕跡はなかった。
しかしそのことは口に出さず、まるで味わっているかのように舌で拭っていく。

「やっ……はぁっ……恥ずかしいっ……」

逃げ出そうと暴れているが、それが本気でないことは海晴にも分かった。

変質的な行為の先に性悦の高みがあるのかもしれない。
拒みながらも悶える妻を見て、あの夜に感じたことを更に実感した。

普段はあまり濡れない体質の志歩だが、こんな僅かな時間で噎せるほどに甘い女密を蕩かせていた。

いや--
濡れない体質というのは志歩の自己申告に過ぎない。
本当は興奮し、本気で感じれば湿りの激しい体質なのかもしれない。

妻だから何でも知ってるなどと思っていた自分の自惚れに気付かされる。