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他人の妻、親友の夫
第4章 未達の悦び
理依は裸のまま夫に寄り添う。
彼女が不意に不憫に思え、秋彦はまた謝りそうになり喉の奥で飲み下す。
こうして性交が途切れてしまった時、お互いに謝らないというのが理依の決めたルールだった。

「今日はありがとう……雷に心配して帰ってきてくれて」
「いや。お陰で怯える可愛い理依さんが見れた」
「もうっ……意地悪……」

はじめはぎこちなかった未達のセックスの空気も、今では自然にやり過ごせるようになっていた。

無理をするのが一番よくない。
何とか固さを取り戻そうとあれこれするのはすべて逆効果であることは充分に学んできた。

他愛もないことを話しているうちに妻の返事がだんだん鈍く短くなってくる。
それに併せて秋彦も言葉数を減らしていった。
穏やかな寝息が聞こえてきたのを確認してからゆっくりと身を起こし、裸のままでリビングに向かった。

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