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第3章 性友

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「イ……ッ」

　シャワーを浴びると切ったばかりの手首が痛む。あの頃は、透の方が強かったのに、今は私の方が弱い。

　第一志望の高校に落ちて、滑り止めで合格した私立の女子高にいったものの馴染めずに中退。その後、親のコネで入った職場も辞めて。

　けれど、家に帰りたくなかった私は適当な嘘をついて、この場に留まった。私に帰ってきて欲しくない親は、私の嘘を信じたフリをして、次は弟を自分達の理想に育てようとしている。子どもは親の玩具ではないのに。

　大人は嫌いだ。汚い大人になるくらいなら、ずっと子どものままでいい。生まれ変わるなら、もう人間は嫌だ。優しい飼い主さんに飼われる小動物になりたい。そう、うさぎとかフェレットとか。