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口琴
第14章 診察
もう、センズリどころではない。
中條は座椅子から立ち上がった。
蕾に覆い被さったまま、全身で息をしている松岡を力ずくで起こすと、地を這うような声で…
「いつまで調子に乗るつもりだ…。とっくに効果は消えていたのだろう…松岡っ…」
松岡は、中條の真剣な表情に一瞬驚いたが、すぐに俯いて小刻みに肩を揺らした。
「クックックッ…やはり…。中條…君は私がこうなる姿を見たかったんじゃなかったのかい?結局、我々二人とも、自分の策に嵌まったって訳だ。傑作だよっ!クックッ…」
「っ…!」
言葉を詰まらせた中條が、松岡に対して右の拳を振り上げたその時。
「…んっ…ぅっ…たす…けてっ…ひじり…く…ん……」
消え入りそうな涙声で、蕾が譫言を洩らした。
数時間に亘り、続けざまに躰をいたぶられた蕾の、体力も精神力も残ってなどいない。そんな遠退く意識の中で、聖を何度も呼んでいた。
「中條…臨床の結果だが、見ての通りこの薬は失敗だ…。媚薬ごときで人の心まで支配するのは無理ってことだよ」
「…………」
「しかし、この娘の躰は…薬よりも怖い…」
松岡は、精を吐いたのだから当然すぐに萎えるだろうと思った自分のイチモツが、蕾の膣内(なか)の感触を思い出すだけで頭を持ち上げ、陽性反応を示しているのにはほとほと呆れてしまった。
「長居をしてしまった…。この媚薬は置いていくよ。君が使う気があるなら、倍の報酬を戴こう。しかし中條、君は確か、本物にしか価値を見出だせない性分だっな?この媚薬で"本物"が君のものになればいいが…」
松岡は身支度を済ませ、離れを後にした。
カコーーン………カコーーン……
すっかり日は落ち、暗い部屋に鹿威しが響く。
中條は、疲れ果てて眠ってしまった蕾の傍らに腰を下ろし、手に吸い付くような白い肌を撫でながら呟いた。
「…悪い娘だ…。おとうさま以外の男を狂わすとは…なんて淫乱な躰なんだ…蕾…。『ひじり』とは誰だね?…その男のモノも、この淫乱まんこで咥えたのか?
…お前の…"本物"の心は…どこにある?…
誰にも渡さんぞっ!クッソーッ!」
ガッシャーン!!
中條は、壁に向かって媚薬の小瓶を投げつけた。
「蕾っ!お前は私のものだっ!」
蕾の上に覆い被さり、狂ったように腰を振り立てた。
秋の夜長に響いていたのは、鈴虫の音色だけではなかった…。
中條は座椅子から立ち上がった。
蕾に覆い被さったまま、全身で息をしている松岡を力ずくで起こすと、地を這うような声で…
「いつまで調子に乗るつもりだ…。とっくに効果は消えていたのだろう…松岡っ…」
松岡は、中條の真剣な表情に一瞬驚いたが、すぐに俯いて小刻みに肩を揺らした。
「クックックッ…やはり…。中條…君は私がこうなる姿を見たかったんじゃなかったのかい?結局、我々二人とも、自分の策に嵌まったって訳だ。傑作だよっ!クックッ…」
「っ…!」
言葉を詰まらせた中條が、松岡に対して右の拳を振り上げたその時。
「…んっ…ぅっ…たす…けてっ…ひじり…く…ん……」
消え入りそうな涙声で、蕾が譫言を洩らした。
数時間に亘り、続けざまに躰をいたぶられた蕾の、体力も精神力も残ってなどいない。そんな遠退く意識の中で、聖を何度も呼んでいた。
「中條…臨床の結果だが、見ての通りこの薬は失敗だ…。媚薬ごときで人の心まで支配するのは無理ってことだよ」
「…………」
「しかし、この娘の躰は…薬よりも怖い…」
松岡は、精を吐いたのだから当然すぐに萎えるだろうと思った自分のイチモツが、蕾の膣内(なか)の感触を思い出すだけで頭を持ち上げ、陽性反応を示しているのにはほとほと呆れてしまった。
「長居をしてしまった…。この媚薬は置いていくよ。君が使う気があるなら、倍の報酬を戴こう。しかし中條、君は確か、本物にしか価値を見出だせない性分だっな?この媚薬で"本物"が君のものになればいいが…」
松岡は身支度を済ませ、離れを後にした。
カコーーン………カコーーン……
すっかり日は落ち、暗い部屋に鹿威しが響く。
中條は、疲れ果てて眠ってしまった蕾の傍らに腰を下ろし、手に吸い付くような白い肌を撫でながら呟いた。
「…悪い娘だ…。おとうさま以外の男を狂わすとは…なんて淫乱な躰なんだ…蕾…。『ひじり』とは誰だね?…その男のモノも、この淫乱まんこで咥えたのか?
…お前の…"本物"の心は…どこにある?…
誰にも渡さんぞっ!クッソーッ!」
ガッシャーン!!
中條は、壁に向かって媚薬の小瓶を投げつけた。
「蕾っ!お前は私のものだっ!」
蕾の上に覆い被さり、狂ったように腰を振り立てた。
秋の夜長に響いていたのは、鈴虫の音色だけではなかった…。