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口琴
第4章 性人形
魂を抜き取られたかのように、グッタリと力なく布団に倒れ込む蕾。

汗の粒を巻き込みながら、白い樹液が内腿を滴り落ちる。

髪の毛は、汗に濡れた顔や首筋にまとわり付き、制服は、ただの布切れのように躰に絡まっているだけで、無惨な姿になっていた。

「蕾ちゃんは、おじちゃんの可愛いお人形さんだ…。もっといっぱい『まんまんごと遊び』しようね?クックックッ…」



無抵抗で、純真無垢な美しい少女は、自分と反転する鏡像的存在…。

無垢な少女をを汚す行為は、この男の根底に澱む優越感やエロティシズムの快楽を満たし、自分と言う存在価値を中條自身が確信する行為でもあった。

中條の恣意的な欲動を、誰一人として止めることも、咎めることもさえも許されず、この閉ざされた無秩序な空間が、悲しく築かれてしまったのだ…。

蒸し暑い夏の一夜…。
豪邸の隅に佇む数寄屋作りの障子には、行灯の灯で映し出された大小の影が、いつ終わるともなく揺れていた…。



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