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イカせ屋稼業
第1章 そのいち
『はぁ。
分かりました……私が行きますね』

通話を終えたようだ。


皆の視線に急いで応えるように、
甲斐は『柏木様が突然尻込みしたそうです。
ビル前に到着はしているとのこと。
私が行って連れて来ますので、5分だけお時間を下さい』


甲斐は一礼してオフィスを出ていく。


スタッフが『あ〜これだから素人さんは…』
『困るんだよね』
と口々に文句を云う。。


翔汰は(なるほど。
いざ撮影となるとヨイショが利かない訳か)
と妙に感心した。



―――そりゃそうである。素人の現役大学生なら、
アダルト作品に出演するのは余程の覚悟が必要だ。



翔汰は1人スタッフと居るのも何だしなぁと思って、スタッフに『僕も見てきますね』と声を掛け、甲斐を追って1階へと向かった。

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