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イカせ屋稼業
第15章 そのじゅーさん~未来へ~
前に出した〔包帯男・薔薇色の鎖〕(百合絵がタイトルをつけたのだ)がHitし、
安定した波に乗るふたり。




_____バンワゴンは郊外に向けて走る。


『~~プールサイドのあのコ~~すか……』
予定表を読みながら翔汰はイメージする。



『ふたりだけなのにな(苦笑)
雰囲気のいいプールでイチャイチャするお前らを観たい………そんだけだ』



『……………………………………………』
拓矢が浮かない顔をしている。



『どした?たく。

青白いぞ、顔…………

昼とろろ蕎麦とゴマ和えあれだけ食べたってのに』



『……………………水怖い……………

泳げないんだよ…………』

小刻みに震えている。




『……………まじ?ぶわっはっはっ、拓矢泳げないのー?
あはははは』


『拓矢………くくっ…………
スイマーの設定じゃないんだから、
別に泳ぐ必要ないぞ?』
甲斐も笑いを堪える。




『笑わないでよ……………………
切実なんだぞ、泳げないヒトにとってプールってのは!
昔家の池に落ちてさぁ………

ちょうど誰もいなくて、犬は寝てたし鯉は寄ってたかるし』



『トラウマかー。
いざとなったら拓矢一人くらい担いで泳ぐよ、俺が』





『ひぃぃ……………』
フォローのつもりが想像しちゃったらしく、
拓矢は伸びた金髪を抱えた。



襟足が肩まで伸びてる。

サイドも顎まで。



(貴公子みたい………………)
黒髪に軽くパーマをあてた翔汰は、
相変わらず拓矢を美しいと思う。



『鯉の唇が俺の耳にっ………ひぃっ………』


(中身これだもんなぁ笑)


朝は起きられないし、
腹が減ったら喚くわ食べたら零す。



______まぁふたりとも相思相愛なのだ。

KANAMEの事があっても、ふたりは離れない。
事務所も皆一体となって乗り越えた。






そう信じ切っていた。

この時はまだ知らなかった。


不測の事態というのは、
足音もなく忍び寄るんだ。


気がついたら季節が変わっているように___







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