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イカせ屋稼業
第15章 そのじゅーさん~未来へ~
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『社長…………………
ステージ4って………………………』
翔汰は絶句した。


1時間後。



都立病院の最上階。個室にて、
ベッドに横たわる百合絵。


傍らには甲斐・鴫ハルコ・
翔汰・拓矢・他の男性社員2人。


点滴を受けながら百合絵は微笑んだ。
『あ~あ、バレちゃったわねぇ。
誤魔化せたと思ったんだけど、見た目だけね?
初期段階で胸ごと取り除けばよかったわ』



乳がんの、ステージ4だという。


翔汰と拓矢が知らないうちに、
乳房を残したままこっそり手術したそうだ。


が、
癌の進行は止まらず。



『まぁ、後任は甲斐に任せたし…………
あんたたちは今まで通り頑張りなさいな』

百合絵が翔汰と拓矢を交互に見た。



「夜中なんだし、あたしは大丈夫よ。
帰って休みなさいな」と言い張る百合絵に、
6人は病室を出る。







暗い廊下。

ソファーに甲斐が座った。
力なく……………


『甲斐さん………………!!
何で黙ってたんですかっ』
翔汰は理不尽に感じた。

思わず詰め寄る。


甲斐が涙を堪え、
『悪かった…………
社長に口止めされてたんだ。
だから…………イージーさんも他の仕事に廻って貰ったんだ』
と言う。




『____何ですか、それ……』
拓矢が一歩前に出た。



『イージーさんは百合絵社長と昔からの付き合いだ。
お前たちはもう、次の段階に行ける。
イージーさんと社長が話し合って、
鴫さんに頼んだんだよ。
〔売り方を変える〕んだ』


『あ……………………
だからいきなり芸術的な作品に?』
翔汰は合点がいった。




社員2人は泣いていた。
すすり泣く声が廊下に響く。



『………………いつからですか?
社長の乳がんが判明したのは、いつ頃?』
拓矢の声も虚ろ。


甲斐は俯いた。
『…………………KANAMEが絡んできた頃だ。
一番始めは……………』




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