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君をこんなに愛してる
第4章 空白の記憶

絢人さんのそんな反応が予想外で、わたしは再び度肝を抜かれた。

「絢人はずっと昔から、栞さんのことが好きだったのね…」

何も話せないわたしの代わりに、奥様が状況を説明してくれる。


「栞さんに告白をしたのは何年前なのかしら?その時の記憶は抜けていたとしても、長い間あなたに寄せていた想いは消えていないのよ」

「…っ…そうなの…?絢人さん…」

「…え?あ、…ああ」


絢人さんが照れ臭そうに鼻の頭をさわっている。


「君の事はよく知っているつもりです。好きな食べ物も…遊びも、男性の好みだって。──…それが僕とは真反対の男であることも、全部」

「…真反対の男?」

「そっ…だから、クールで…それでいて強引な男が好みなんでしょう?普段は素っ気なくて冷たいのに、喧嘩になると強くて、君を危険から守ってくれるような…っ」

「それって…──」


高校生の時に友人との間で流行った、少女漫画の主人公のことだろうか。

確かに当時はキャラグッズを持つほどはまっていたわけだけれど……。


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