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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第31章 第十二話 【花見月の別れ】 其の弐
 まるで相手にされないのは、罵られるよりも辛い。それでも、お彩は内心の落胆を表には少しも出さないで言った。
「ちょっと洗濯物を片づけにいってきます。すぐに戻りますから」
 お彩はそう言い置いて、小脇に汚れものを抱えて家を出た。腰高障子を閉める間際、ちらりと後ろを見ると、おきわの隣に寝かせたお美杷はぐっすりと寝入っているようだった。
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