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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第5章 第二話・其の弐
 喜六郎は昔を懐かしむようなしんみりとした口調で言い、お彩を見つめた。
「むろん、俺は端からお前がやったなんざァ、これっぽっちも考えちゃいねえさ。今の小巻のとんでもねえ台詞は全部たわ言だと思って、許してやってくんな」
 眼前で両手を合わせて拝むような仕草をする。
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