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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第42章 第十五話 【静かなる月】 其の四
「山吹さん、山吹さん」
 お彩はハッとして顔を上げた。
 まだ耳慣れぬ源氏名をつい聞き逃してしまったようだ。廓に来て十日近くを経た今でも、この名で呼ばれると、いまだに自分ではない別の人間になったような気がして落ち着かない、所在ないような心持ちになる。まだ袖を通したことのない着慣れぬ衣に手を通したような。
 だが、確かに、この苦界と呼ばれる特殊な場所では、女郎は自らの心を殺して生きなければならないのは必定であった。
 即ち、これまで外の世界―娑婆で生きてきた堅気の自分を捨て、一度は死んだつもりで、この世界に飛び込まねばならぬということだ。
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