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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第45章 第十六話 【睡蓮】 参
お彩の顔色が変わったのを敏感に察したおみよは首を振った。
「私としたことが―、申し訳ございません。心ないことを申し上げました」
お彩は微笑んで首を振り、次に表情を引き締めた。
「おみよさん、私からもお訊ねしたいことがあります。旦那さまのご容体はどのようなのですか」
訊ねられるのは、おみよしかいない。お彩がじっと見つめていると、おみよは少し思案した後、哀しげな表情で応えた。
「お医師は今のところ、五分五分だと申されております。つまり、助かる可能性が五分、ということです。旦那さまはまだお若いゆえ、体力の方は十分おありですから、後はご当人の気力、すなわち生きよう、生きたいと願う気持ちだけだと」
「私としたことが―、申し訳ございません。心ないことを申し上げました」
お彩は微笑んで首を振り、次に表情を引き締めた。
「おみよさん、私からもお訊ねしたいことがあります。旦那さまのご容体はどのようなのですか」
訊ねられるのは、おみよしかいない。お彩がじっと見つめていると、おみよは少し思案した後、哀しげな表情で応えた。
「お医師は今のところ、五分五分だと申されております。つまり、助かる可能性が五分、ということです。旦那さまはまだお若いゆえ、体力の方は十分おありですから、後はご当人の気力、すなわち生きよう、生きたいと願う気持ちだけだと」