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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第45章 第十六話 【睡蓮】 参
「事故が起こった夜のことです。あの夜、旦那さまと共にいた泰助さんは走り去る黒い影を見たと証言しているそうですね」
「では、お内儀さんも、あれは事故ではなく事件だと」
「そのように思います。誰か旦那さまを亡き者にしたいと企む者が仕組んだのではないでしょうか。例えば、旦那さまがいなくなったら、得をする人間、そんな人たちがお身内には何人もおいででしょう」
最初、お彩は市兵衛を殺めようとしたのは、商売絡みで市兵衛に恨みを抱く者ではないかと考えていた。だが、京屋に帰って実際にその内情を見て、自分の推量は外れていたのではと考え直すようになったのだ。
「では、お内儀さんも、あれは事故ではなく事件だと」
「そのように思います。誰か旦那さまを亡き者にしたいと企む者が仕組んだのではないでしょうか。例えば、旦那さまがいなくなったら、得をする人間、そんな人たちがお身内には何人もおいででしょう」
最初、お彩は市兵衛を殺めようとしたのは、商売絡みで市兵衛に恨みを抱く者ではないかと考えていた。だが、京屋に帰って実際にその内情を見て、自分の推量は外れていたのではと考え直すようになったのだ。