この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第7章 第三話 【盈月~満ちてゆく月~】 其の壱
「それもそうだ。お彩ちゃんが出生の秘密を知るはずはねえな。伊八さん、突然押し掛けてきて、妙なことばかり言ったようだが、あまり気を悪くしねえでくんな。俺もお縞もお彩ちゃんを育ててくれたあんたにはありがてえと思ってるんだから」
 と、伊八が強い口調で返す。
「だから、その話はもうこれっきりにしてくれと言ってるだろう。俺はお彩のてて親なんだ。てて親が手前の娘っ子を育てるのは当たり前のことじゃねえか。そんな当たり前のことで一々礼を言われる筋合いはない」
 お彩の手から竹の皮にくるまれた桜餅が落ちた。父のためにと随明寺の門前の茶屋で買い求めたものだ。
「お彩ちゃん」
 傍らの伊勢次が小声で呼ぶのにもお彩は気付かない。落とした包みにも頓着せずに、その場を走り去った。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ