この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第12章 第五話 【夏霧】  其の壱
 その八百屋はいつも店で使う食材を仕入れる店で、女房も三十ほどの気の良い女だった。
 その分だけお人好しというか人情味があるのが喜六郎の取り柄なのだ。それはともかく、おきみという女のそこはかとない愁いの漂う美貌はいかにも喜六郎好みといえた。
「あの、旦那さんなら今は近くの八百屋まで買い出しに出ていますから、おっつけ戻ってきなさると思いますよ。中でお待ちなさいますか」
 お彩が控えめに言うと、おきみは微笑んだ。
「ご親切にありがとうございます」
 幾ら喜六郎にとっては歓迎すべからざる客であったとしても、この夏場の炎天下にずっと放っておくことはできない。それに、お彩はこのおきみが性悪な女だとはどうしても思えないのだ。かつては喜六郎とも深間でありながら、突然店を辞めたことは事実なのだろうが、その裏にはおきみ自身の訴えるように何か相応の事情がありそうな気がする。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ