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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第12章 第五話 【夏霧】  其の壱
「あの子は宿に置いてきました。本当はおとっちゃんに逢いたいって随分と愚図ったんですがね」
「あの、やっぱり、お待ちになった方が良いのでは?」
 お彩がなおも言っても、おきみは首を振るばかりだった。
「お心遣いは忘れません。厚かましいついでに一つだけお願いがあります。どうか、あたしが今日ここに来たことは旦那さんには話さないでやっておくんなさいまし」
 おきみはそう言うと、さっと背を向けた。
 お彩は声をかけることもできず、ただ茫然と儚げな後ろ姿を見送るしかない。
 やがて、おきみの姿は金物屋と筆屋が涼通りを挟んで向き合う四つ辻を右に折れ、見えなくなった。
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