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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第16章 第七話 【雪花】 其の壱
 お彩はそう思っていた。知らぬとうことは、ある意味でまだわずかながらでも希望を持てたということでもあった。が、今や、そのたったひとかけらの望みさえ完全にうち砕かれてしまった。
 お彩は暗澹とした気持ちで「花がすみ」の暖簾をくぐった。吐く息が白い。店に入る前に一瞬だけ見上げた先には鈍色の空がひろがり、まるで雪でも降りそうな陰鬱な空模様であった。
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