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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第19章 第八話  【椿の宿】
 しかし、実のところ、お彩自身にも何故、自分の心がこれほどの哀しみに支配されているのか判らなかったのだ。市兵衛が肉欲だけでお彩との関係を続けているのではという疑惑もむろん依然としてある。
 が、けして、それだけではなかった。いくら好きになっても、果てがない。その我が身の心に、お彩は空怖ろしさを憶えていたのだ。
 好きになればなるほどに、男への想いが深まるほどに、男の心が遠く、見えなくなってゆく。そのもどかしさに抗おうとしても、それは所詮、無駄なことであった。
 京屋市兵衛という男は底の知れぬ深い湖のようなところがある。
 一切の感情を殺しているのではないかと思うほど、ひっそりとした静謐さを身にまとわりつかせているときが多い。
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