この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第21章 第九話 【夫婦鳥~めおとどり~】  其の壱
「おとっつぁん、苦しいの、どこか傷むの?」
 伊八はかすかにかぶりを振るような仕草をした。
「―ぬけ」
 父は何かを訴えようとしているようだったが、言葉にならず、うまく聞き取れない。
 お彩が父の方にいざり寄り、口許に耳を近付けた。荒い呼吸の音、だが、苦しげな息遣いの下で確かに聞き取れたのは次の言葉だった。
「その男に心から惚れているなら、想いを貫け」
「おとっつぁん?」
 お彩が次に父を呼んだ時、既に父の瞼は固く閉じられていた。
 そして、その夜半、伊八はついに再び目ざめることなく、ひっそりと息を引き取った。まるで眠ったままであるかのような、安らかな死であった。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ