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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第19章 神奈川ラストデート☆江ノ島

可愛い猫にお別れをして、島の中に入る。

「ねぇ、海音。上の灯台まで歩くのとエスカレーターとどっちがいい?」

「暑いから階段大変やけど、せっかくだから、歩いて行こう。渚とゆっくり歩いて行くのも楽しそうやし。ねっ!」

そう言って、首を傾けて私にニコッと笑った。

灯台があるサムエルコッキング苑まで、結構な数の階段を上らないといけない。

正直暑い中、この階段はしんどい。

でも、海音の笑顔を見たら、歩いて行ってもいいかな?と思えるから不思議だ。

日頃、運動不足の私にとって、この階段は結構過酷だった。

「ほらっ、渚。頑張って。」

握った手で私を引っ張ってくれる海音。

この暑い中、汗もかかずに相変わらず涼し気な顔をしている。

「なんで海音は、そんなに涼しい顔でいられるの?」

私が悔しそうに言うと

「渚が一緒にいるのに、苦しかったりとかあるわけないでしょ。楽しいから元気なんだよ。」

そう言って私のホッペをギュッと摘まんだ。
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