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Memory of Night 番外編
第4章 Episode of AKIRA
「魔女って……」
一体どんな顔だろう?
宵の頭に黒い衣服に身を包んだ、意地悪そうなお婆さんの姿が浮かぶ。
だがふと気付いて晃を睨みつけた。
「ほら、やっぱり女ばっかじゃねーか」
「……は?」
「おまえが俺の顔を何かに喩える時って、いつも女ばっか。その上女装させたり化粧させたり髪伸ばさせようとしたり。……やっぱり女が好きなんだろ?」
考えてみれば、晃の周りに寄ってくるのはいつも女の子ばかりな気がする。男との恋愛経験なんてあるのだろうか。
「……今日はずいぶんこだわるな、そこに。いつも自分の容姿には無頓着なくせに」
晃は心底意外そうに目を見開いた。
確かに母親似なせいで多少女顔な自覚はあるが、それ自体をコンプレックスに感じたことは宵にはあまりなかった。
外見なんて付属品。中身は普通に男だ。
だからこそ、今までの晃のからかいにもあまり気に留めず聞き流すことができていたのだ。
外見を気に入ってくれたのでもなんでも、好きだと言ってくれるのは、純粋に嬉しい。
ただ――それがもし『女の代わり』を求められているだけだとしたら、不愉快以外のなにものでもない。