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Memory of Night 番外編
第4章 Episode of AKIRA
そんなある日。
晃は母親に連れられ、親戚の叔父が経営する人形屋を訪れた。晃がまだ小学生の時だ。
父方の親族であるその叔父は、家族とも仲が良い。時々家に遊びにも来ていた。
晃が小学校低学年の頃、誕生日祝いにと、一体の人形をプレゼントしてくれたことがあった。今思えば、多分人形屋を始めたばかりの頃だったのだろう。
母親と自分にアンティークの価値について、楽しげな顔で永遠語っていた。
プレゼントしてくれた人形は、ちょうど晃の腕にすっぽり収まるサイズの和風の人形。切りそろえた肩ほどまでの髪と、丸い瞳は真っ黒だった。白い肌を覗かせ、身に纏うのは赤い着物だ。
男の子である晃には、人形というプレゼントは微妙だった。良さもあまりわからない。何より黒と白と赤の対比は気味が悪かった。
夜に髪が伸びたりはしないだろうかと敬遠していた。
そんな思い出しかなかったため、人形屋に行くのはあまり気が進まなかった。叔父の経営する店にもそこで売られている人形にも、興味はない。
ただ、久しぶりの母との外出が嬉しかっただけだ。