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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
一応確認口調で問いかけたけれど、明と彼女は同い年で彼女が転校していったのは去年の秋口だったので、文化祭の経験がないのは明らかだった。
電話の向こうから返事はない。迷っているような、そんな沈黙が流れた。
「何か予定とかある?」
たたみかけると、ようやく返答があった。
「……実は、修学旅行が一月の始めにあるの」
「そうなんだ! どこ行くのー?」
「沖縄に、三泊四日」
「……なら忙しいよねー。ただでさえ遠いし」
彼女の住んでいる場所から明の住んでいる場所までは、電車で半日以上かかる。
もしも文化祭に来られるのなら明は自分の家に泊まってもらうつもりでいたが、同時期に修学旅行があるのなら遠出は厳しいだろう。
「……せっかく誘ってくれたのに、ごめんね」
「大丈夫。旅行楽しんできなー」
「ありがとう」
邪気のない嬉しげな声で礼を言われ、明はくすりと笑った。
「実は今学校なんだ。携帯使ってるのバレるとうるさいから、切るね。またね――愛美(マナミ)!」