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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!

 せわしないやり取りが繰り広げられる中、ふいに廊下から慌ただしい足音が聞こえた。
 瞬間、教室のドアが勢いよく開く。

「――ねえ、宵(よい)知らない……っ!?」

 一斉にクラス中の生徒達が声の方を振り返った。
 セミロングのやや茶の髪を揺らし、教室内を覗き込むような体勢でそう言い放ったのは、菊池明。
 このクラスの学級委員で、まとめ役でもある女生徒だった。

「えっと……宵くんなら……」

 肩を喘がせ、ぜーはー息を切らして叫ぶ明の剣幕にしばしの間呆然としていた生徒達の中から、一人の女生徒がおずおずと口を開く。
 だがそれを遮るように、今度は男子生徒が一歩前に進み出た。
 宵とよく一緒にいる大山和仁(おおやまかずひと)だ。

「宵なら、ここにはいないよ」
「はあ!? アイツ帰ったわけ!?」
「いや、そうじゃなくて……」

 大山は、つかのま視線を宙に泳がせて言葉を探しているような素振りを見せる。
 だがそれも一瞬で、すぐに引きつった笑みを浮かべ、口を開いた。
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