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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「サンキュー大山」
宵は乱れた衣服を軽く整え立ち上がった。
二人に背を向け、その場を離れようとして、ふいに動きを止める。後ろから、小さな嗚咽が聞こえたのだ。
振り返ると、先ほどまで大山の腕から逃れようともがいていた明の動きが止まっていた。
明は不自然なまでにうつむき、体を小刻みに震わせている。
「あか……り?」
大山が、おそるおそる呼びかけると、返答の代わりに聞こえるのはなおも小さな嗚咽。
嫌な予感が、宵と大山の胸によぎる。
大山は無意識に両手を離していた。
すると、ある意味では予想通りというか、後ろからの拘束がなくなった明はガバッとその場にしゃがみこみ、両手で顔を覆って泣き始めてしまったのだ。
「……泣くなよ……」
まさかの反応に、宵も頭を抱えたくなった。肩を震わせしゃくりあげる明を前に、一体どうしろというのか。
今までは遠目に見物しているだけだったクラスメイト達が、ただならぬ明の様子にぞろぞろと集まってくる。
やや短めのスカートから中が見えないように、明は膝をぎゅっと閉じたままひたすら泣き続ける。