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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
明はむっとしたように唇を尖らせる。
宵はそんな明は無視し、丁寧に畳まれた紙を開いた。
そうして中身をちらりと一瞥した瞬間、思わず目をみはってしまう。
「なんだよこれ……」
「え? だからリスト」
「じゃなくて、明らかに多すぎだろ! 参加者の数!」
達筆な、いかにも女性が書いたような綺麗な文字。
そこには明日の参加者の学年、クラス、名前、性別が午前と午後の部にわかれてずらりと記されていた。
そう、ずらりと。
一目見ただけでも多いとわかるその名前を目で追いながら数えると、なんと午前と午後で十人ずついる。
やはり多い。
「これでも絞ったのに」
「絞りが甘いんだよ!」
「だって、あんま減らすと儲け出ないじゃん」
平然とそう言ってのける明に、宵はがっくりと肩を落とした。
「……少しは走る方の身にもなれ」
「別に走らなくたっていいよ。隠れてればいいじゃん、一日中」
「…………」
それはそれで、なんて面白味のない文化祭なんだろうと思う。
「……だったらメイド服着る必要なくね?」
「えー、そんなん今さら言われても」