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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
その時だった。
すぐ真横で、足跡が響いた。
「……!?」
宵がぎょっとして、目を見開く。
二人がもぐりこんだテーブルの本当にすぐ隣に、あの男子生徒がいるのだろうか。
もしここを開けられ、中を覗かれでもしたら。この状況の言い訳など浮かばない。
さすがの晃も手を止め、男子生徒がいるであろう方角に視線を向けた。暗い中じゃ、音だけが頼りだ。
血の気が引いていくような思いで、宵も足音の方を見やる。
緊張の一瞬。その音が、ふいに止まった。
続いて聞こえてきたのは、ため息だ。
「……やっぱり、さっきの物音は気のせいだったのかな。誰もいないし。……教室戻ろう」
あまりやる気の感じられない声で、そうつぶやくのが聞こえた。
その言葉に安堵する。
どうやら鬼役らしき彼はメイド探しを諦め、この教室から出ていってくれる気になったらしい。
彼がいなくなればおもいきり抵抗できるし、晃のふざけた遊びからも解放されるだろう。
足音が再び響き始め、それが遠ざかっていく気配にほっと胸をなで下ろした時だった。
――今度は携帯電話の着信音が響いた。