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貴方にジャンキー
第23章 DVD
「澤っ!!すまんっ!パソコン貸してくれ!!今すぐ!」


生徒会室のドアを蹴破る勢いで入ると、会長の机にあるノートパソコンを奪い取る。



「まてまてまて・・。今、会議中。それ、ないと困るんだが。急用か?」


周りの生徒会役員たちがポカーンと口を開けて、眺めてる。
澤に懇願の目で訴えると


「すまん。ちょっと休憩にさせてくれ。南波・・奥へ・・」


と奥の資料室へ案内してくれた。



「何があった?」

「これ。何だと思う?」

「DVDだな。どうした?」

「知らない男に渡された。多分、そいつも使われただけだと思う。」

「ほう?それを今から、このパソコンで見せろと。なんか変なウイルスが入ってたらどうすんだ?うちの学校の生徒会広報も含まれてるんだぞ。このパソコンには。」

「昼過ぎから、理子と連絡が取れないんだ。それから、浜田高校の後輩にも。」

「浜高生?」


澤がひとりで考え込む・・。

「何か思い当たる節でもあるのか?」

「口止めされてたが・・。今朝。安藤が東郷と浜高前の駅で待ち合わせしたそうだ。」

「あ・・あぁ・・。」

今朝のトシからの電話が蘇る。
『理子さん、うちの高校前の駅で先輩らに捕まってたんすよ。』



「痴漢にあって、下着を切り取られたんだとか。」

「んなっ???!!!」

「お前に言ったら、この大事な時期に暴力沙汰になりかねん。って言えなかったそうだ。」

「バカだ・・。そんな・・」


いつだって、理子は俺が守ってやりたい。
安藤じゃない。澤じゃない。ましてやトシではなく。俺が・・!!
本当に馬鹿な女だ。なぜ、俺に言わない。すぐにでも助けてやるのに。
理子が傷付くくらいなら、俺の未来なんてくれてやるのに!!
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